過去に破産したのですが、過払い金があったのではないかと考えています。破産後も過払い金を取り返せるのでしょうか?
結論
借金だと思って破産したところ、実は借金の中に過払い金が含まれていた場合、その過払い金は取り返すことができます。
貸金業者の反論
「破産」は、「借金」と「財産」を裁判所に届け出て、生活に必要な分以外の財産を借金の返済に充て(配当といいます)、残った借金は全て帳消しにするものです。(破産について)
「借金」だと思って裁判所に届け出たけど、実は「過払い金」、つまり「財産」(取り返せるお金だから「借金」ではなく「財産」なのです)だった場合、本来は破産手続の中で、財産である過払い金を回収して、借金の返済(配当)をすべきでした。
しかし、実際の破産手続では、過払い金ではなく借金として届出され、そのまま手続が終了した場合、過払い金の回収がなされていません。
そこで、貸金業者は、破産手続で過払い金として届出がなかったものについて、後になって本人が過払い金を回収するのは、権利の濫用であるとか、信義則に反するとか言ってくる場合があります。
裁判例
しかし、破産手続が適正になされたか否かと、その後の過払い金の回収行為は、別個に考えるべきものとするのが判例の基本的な考え方です(札幌高等裁判所平成17年6月20日判決など参照)。
破産時に過払い金であることが分からなかった場合などは、問題なく過払い金を回収できるものと考えられます。